気づけば、社員ではなくAIに仕事を頼んでいたARTICLE

ARTICLE代表コラム

先日、自分で手を動かして仕事をしていたときに、ふと気づいたことがあります。以前なら社内の誰かに頼んでいたちょっとした仕事を、いまは Claude Code などの AI エージェントに頼んでいる。社員に頼んでいない自分がいる、ということにです。

頼む相手が、いつの間にか変わっていた

振り返ると、頼む先が変わった仕事はいくつもあります。

  • 日程調整:特に社外との日程調整は、これまで誰かにお願いしていました。いまは AI に任せています
  • 自社のホームページの改修:Claude Code でエージェントを3つ並行で走らせ、ほぼ自動で進めています。このサイトもそうやって手を入れています
  • 営業戦略づくり:あるお客様にどういう順番で、どんな話を持っていくか。以前は社内の担当と時間をとって話していました。いまは、これまでの実績や事例が溜まってきたこともあり、AI と壁打ちしてすぐに形にします。そのまま、社内で作ったスライド生成の仕組みと組み合わせて、営業資料まで作ってしまいます
  • 会社の全体の方針:SEO をどう進めるか、営業の体制はどうあるべきか。現状(As-Is)とあるべき姿(To-Be)を棚卸しして、メンバーに伝える。この「考えて、整理する」ところの壁打ちも、いまは基本的に AI が相手です

しかも、これらを並行して進められます。一つ終わるのを待たずに、次を走らせておける。以前なら一日に一つか二つだったものが、同じ時間でいくつも進むようになりました。

代表の仕事が、プレイヤーに近づいている

その結果、代表としての働き方が少しずつ変わってきました。会社ではあるものの、自分が受け持つ範囲がどんどん広くなっている。人に割り振って、戻ってきたものを確認する、という動き方から、自分で手を動かして完結させる動き方へ。言ってみれば、プレイヤーに近い動き方になってきています。

これ自体は、悪いことではないと思っています。考えたことがすぐ形になるので、判断が速くなりました。任せる前に説明する時間、戻ってきたものを直す時間も要りません。

残酷なのは、頼む理由が同じだということ

ただ、ここには残酷な面もあると感じています。

代表が人に仕事を頼んできたのは、代表の時間が限られていて、その時間を大切にしたいからでした。自分でやるより、誰かに頼んだほうが、自分の時間を大事な判断に使える。それが、人に頼む理由でした。

ところが、その同じ理由で、いまは AI に頼んでいます。時間を大切にしたいから、説明も待ち時間も要らない AI に頼む。理由が変わっていないからこそ、頼む先だけが、静かに入れ替わっていきます。誰かを減らそうと決めたわけではないのに、社員にお願いせず、AI で完結していく世界が、気づけば進んでしまっている。

必要な人数は、少なくなっていくのだと思う

この先を考えると、代表こそ、AI でどれだけ自分の業務を広げ、効率化できるかの勝負になると思います。代表が AI を使いこなせる会社と、そうでない会社では、動く速さがまるで違ってくるはずです。

そして、そのぶん、会社に必要な人の数は少なくなっていくのだろうと思います。これは当社に限った話ではなく、多くの会社でこれから起きることだと感じています。

では、そのとき社員に残る仕事は何か。代表の頭の中を AI が代わりに整理してくれるなら、社員に求められるのは、代表の指示を形にすることではなくなります。お客様の現場に入って、そこでしか分からないことを掴んでくること。AI が作った案を、現場で本当に動くものにすること。前々回に書いた「面着」や、最初のコラムで書いた「挨拶と、顧客の成功を願うこと」は、まさにこの、AI に頼めない部分の話でした。

答えは、まだ出ていない

正直に言うと、この先どうなっていくのか、はっきりした答えは持っていません。便利になったことは間違いありません。一方で、頼まれる機会が減っていく社員の側から、この変化がどう見えているのか。それを考えると、手放しで喜べる話ではないと感じています。

だからこそ、代表が一番先に AI を使い倒して、何が AI に任せられて、何が人にしかできないのかを、自分の手で確かめておく必要があると思っています。それを社員と一緒に考えていくことが、いまの代表の仕事なのだと思います。

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