日程調整をAIで自動化するには|Copilot・Gemini・ClaudeでどこまでできるかARTICLE
ARTICLEAX・業務自動化
「来週どこか30分いただけますか」「では火曜の午後か木曜の午前はいかがでしょう」「火曜は難しいので、木曜の10時で」——日程調整は、1件あたりは数分の作業です。ただ、カレンダーを開いて空きを探し、候補を書き出し、返信を待ってまた調整する、という往復が毎日いくつも重なると、合計ではかなりの時間になります。
生成AIがメールやカレンダーとつながったことで、この日程調整もAIに任せられる部分が増えてきました。ただし、「AIに任せれば日程調整が全部自動になる」わけではありません。どこまでを標準機能で任せられて、どこからが作り込みになるのか、その境目を知っておくことが大切です。
本記事では、日程調整を4つの作業に分けたうえで、Microsoft 365 Copilot、Gemini(Google Workspace)、Claude のそれぞれでどこまでできるかを整理します(各サービスの機能は2026年9月時点の情報です)。
この記事の要点
- 日程調整は、①空き時間の確認 → ②候補日入りの文面づくり → ③返信を読んで確定 → ④カレンダー登録・招待、の4つに分けて考えます。①②④は、Copilot・Gemini・Claude のいずれでも頼めばできます
- 難しいのは③です。相手の返信を読み取り、都合が合わなければ再提案して確定まで進めるところは、標準機能だけでは自動になりません。社外の相手の予定は、どのAIからも見えません
- 使っている環境に合わせて選びます。Microsoft 365 なら Copilot とスケジュール投票、Google Workspace なら Gmail の Help me schedule、返信の下書きまで自動で用意したいなら Claude の定期実行や作り込みを検討します
日程調整を4つの作業に分ける
「日程調整を自動化したい」と一言でいっても、中身はいくつかの作業に分かれます。AIに任せられるかどうかは、作業ごとに違います。
| 作業 | 内容 | AIに任せられるか(標準機能) |
|---|---|---|
| ① 空き時間の確認 | 自分(と社内の参加者)のカレンダーから、候補になる時間を探す | 頼めばできる |
| ② 候補日入りの文面づくり | 候補日を入れたメールやチャットの返信文を作る | 頼めばできる |
| ③ 返信を読んで確定 | 相手の返信から都合を読み取り、合わなければ再提案、合えば確定する | 自動にはならない(作り込みが必要) |
| ④ カレンダー登録・招待 | 決まった日時で予定を作り、参加者に招待を送る | 頼めばできる |
ポイントは、①②④は「こちらから頼めば、その場でやってくれる」作業だということです。一方で③は、相手からの返信というこちらのタイミングでは起きない出来事をきっかけに動く必要があります。ここが、標準機能と作り込みの境目になります。
社内と社外で、難しさが違う
もう一つ押さえておきたいのが、相手が社内か社外かの違いです。
- 社内の相手:同じ組織のカレンダーであれば、AIは参加者の空き時間を見て、全員が空いている時間を探せます
- 社外の相手:取引先の予定は、どのAIからも見えません。こちらの空き時間から候補を出し、相手に選んでもらう形になります
社内の会議の調整はAIでかなり楽になります。手間が残りやすいのは、社外とのやりとりのほうです。
Microsoft 365 Copilot でできること
Microsoft 365(Outlook・Teams)を使っている会社なら、Copilot で次のことができます。
| やりたいこと | できるか | 使う機能 |
|---|---|---|
| 空き時間から候補を出す | できます | Copilot Chat に「来週、Aさん・Bさんと1時間の打ち合わせを入れたい」と頼むと、参加者の予定を見て候補の時間を提案します。候補が見つからないときは範囲を広げて探し、理由も説明します(出典:Microsoft 365 Copilot Blog「What's New in Microsoft 365 Copilot – February 2026」) |
| 候補日入りの文面を作る | 頼めばできます | Copilot Chat で候補日を入れた文面を作り、メールや Teams に貼り付けて送ります。受信したメールに候補日を自動で差し込む機能ではありません |
| メールのやりとりから招待を作る | できます | Outlook でメールのスレッドを開き「Schedule with Copilot」を選ぶと、やりとりの内容から件名と議題を作り、スレッドの参加者を出席者に入れた招待を作ります(出典:Microsoft Copilot Blog「Effortless scheduling with Copilot」) |
| 返信を読んで自動で再提案・確定する | できません | 毎回こちらから Copilot に頼む必要があります |
Copilot が得意なのは、社内の会議の調整です。参加者の空き時間を見て、議題の下書きまで含めた招待を一度に作れます。
社外の相手には「スケジュール投票」が便利
社外の相手に候補日から選んでもらいたい場合は、Copilot ではなく、Outlook に以前からあるスケジュール投票(Scheduling Poll)が役に立ちます。候補日をまとめて送り、相手に都合のよい時間へ投票してもらう機能です。自動スケジュールを有効にしておくと、必須の出席者全員が同じ時間に投票した時点で、会議の招待が自動で送られます(出典:Microsoft サポート「Auto scheduling in Scheduling poll for new Outlook」)。
AIではありませんが、「返信を待って、合った時間で確定する」という③の作業を、社外の相手とのあいだで自動にできる数少ない方法です。
Outlook でのメールの下書きや、Teams の返信の書き直しなど、日程調整以外に Copilot がメールとチャットでできることは、Exchange Online移行の注意点とLINE WORKSからTeamsへの判断で表にまとめています。
Google Workspace(Gemini)でできること
Gmail と Google カレンダーを使っている会社なら、Gemini の Help me schedule が日程調整に直結する機能です。
Gmail で日程調整のメールに返信しようとすると、ツールバーに「Help me schedule」が表示されます。選ぶと、Gemini がメールの内容と自分の Google カレンダーから空いている時間を探し、候補の時間を返信に差し込みます。相手が候補の中から時間を選ぶと、カレンダーの招待が自動で作られ、全員に届きます(出典:Google Workspace Updates「Use Help me schedule to easily set up a meeting time over email」、Google カレンダー ヘルプ「Suggest times to meet with Gemini in Gmail」)。
| やりたいこと | できるか | 補足 |
|---|---|---|
| 空き時間から候補を出す | できます | 自分のカレンダーと、閲覧できる参加者のカレンダーをもとに候補を出します。候補は既定で4つです |
| 候補日入りの文面を作る | できます | 候補の時間が、返信メールの中に選べる形で入ります |
| 相手が選んだら予定を確定する | できます | 相手が候補から選ぶと、招待が自動で作られます |
| 相手の文章での返信を読んで再提案する | できません | 「どれも都合が悪い」と文章で返ってきた場合は、改めて調整が必要です |
注意点もあります。
- 使える環境が限られる:Gemini が使える Google Workspace のプラン(Business Standard・Plus、Enterprise の各プランなど)が前提で、パソコンの Gmail で使う機能です。利用できる言語やプランは段階的に変わるため、導入前に公式ヘルプで確認してください
- 参加者の上限:1回の調整で追加できる参加者は最大20人です。候補を差し込んだあとで宛先を変えても、参加者の一覧は更新されません
社外の相手とのやりとりでも、「こちらの候補から選んでもらう」ところまでは自動になります。4つの作業のうち③の半分まで踏み込んでいるのが、Gemini の特徴です。
なお、Google Workspace を使っている会社が、日程調整のために Microsoft 365 へ移る必要はありません。移行の判断はMicrosoft 365 Copilotはいらない?で詳しく整理しています。
Claude でできること
Claude は、Gmail と Google カレンダーにつなぐコネクタを公式に提供しています。つなぐと、会話の中で次のことを頼めます(出典:Claude ヘルプセンター「Use Google Workspace connectors」、Google Calendar Connector)。
| やりたいこと | できるか | 補足 |
|---|---|---|
| 空き時間から候補を出す | できます | 予定を検索し、空いている時間や、参加者が共通して空いている時間を探します |
| 候補日入りの文面を作る | できます | 受信したメールを読んだうえで、候補日を入れた返信を Gmail の下書きとして保存できます |
| 予定を作る・招待を送る | できます | 予定の作成・変更、招待への返答ができます |
| メールを送る | 確認のうえでできます | 既定では、送信の前に毎回、送る内容の確認を求めます |
ここまでは、Copilot や Gemini と同じく「頼めばその場でやってくれる」使い方です。Claude の特徴は、これを決まった時間に自動で動かせることです。Claude には、指示を保存して毎日・毎週などの頻度で自動で実行する「スケジュールされたタスク」の機能があります(出典:Claude ヘルプセンター「Schedule recurring tasks in Claude Cowork」)。
たとえば「毎朝8時に、日程調整の依頼が来ているメールを探し、カレンダーの空きから候補日を3つ入れた返信の下書きを作っておく」と指示しておけば、出社したときには下書きがそろっている状態を作れます。送信は人が確認して行うので、誤った候補を送ってしまう心配もありません。K.S.Rogers でも、代表の民輪が Claude と Gmail を組み合わせて、返信の下書きを用意する使い方をしています。
ただし、これも「返信が届いた瞬間に動く」わけではなく、決めた時間にまとめて動く形です。また、定期実行の指示の書き方や、どのメールを対象にするかの条件づけは、使う人が考える必要があります。
実際の使用例:Claude Code で、リスケの返信を下書きする
代表の民輪が、実際の業務で使った例です。体調不良で打ち合わせを延期した取引先に、改めて候補日時を送る場面で、Claude Code から Gmail と Google カレンダーのコネクタを使って頼みました(取引先名・担当者名・メールアドレスはモザイクで伏せています)。
頼んだのは、「社内のメンバーが一昨日送ったメールへの返信で、カレンダーから候補日時を出し直してほしい」「当初の打ち合わせで話す予定だった資料を、先にお送りする旨も書いてほしい」の2点だけです。

Claude は、元のメールのスレッドを探して返信としてつなげ、宛先と CC をこれまでのやりとりと同じにしたうえで、カレンダーの空きから1時間とれる枠を候補として並べた下書きを、Gmail に保存しました。

送信したのは民輪本人です。下書きをもとに、候補日時を見直して調整してから送っています(2枚の画像で候補が違うのはそのためです)。AI に任せるのは下書きまで、送るかどうかと最終的な中身は人が決める、という分担にしておくと、安心して任せられる範囲が広がります。
3つを比べると
| 作業 | Microsoft 365 Copilot | Gemini(Google Workspace) | Claude(Gmail・Google カレンダー連携) |
|---|---|---|---|
| ① 空き時間の確認 | できる(社内の参加者も) | できる(閲覧できる参加者も) | できる |
| ② 候補日入りの文面 | 頼めば作れる(貼り付けて送る) | 返信に候補を差し込める | 返信の下書きとして保存できる |
| ③ 返信を読んで確定 | 標準ではできない。スケジュール投票なら投票がそろった時点で自動確定 | 相手が候補から選べば自動で確定 | 定期実行で、返信の下書きまで自動で用意できる |
| ④ カレンダー登録・招待 | できる(Schedule with Copilot) | できる | できる |
| 向いている会社 | Microsoft 365 を使っていて、社内の会議が多い | Google Workspace を使っていて、社外との調整が多い | 返信の準備まで含めて、自分たちの流れに合わせて自動化したい |
どれか1つが優れているというより、すでに使っているメールとカレンダーに合わせて選ぶのが基本です。Microsoft 365 の会社なら Copilot とスケジュール投票、Google Workspace の会社なら Help me schedule から始めるのが、追加の仕組みもいらず手軽です。
「返信を読んで確定」まで自動にするには
③の「返信を読んで、合わなければ再提案、合えば確定」まで自動にしたい場合は、標準機能の組み合わせでは足りず、作り込みが必要になります。
- Microsoft 365 の場合:Copilot Studio で「メールが届いたとき」をきっかけに動くエージェントを作る、Power Automate でメールの受信から予定の作成までの流れを組む、といった方法があります
- Google Workspace や Claude の場合:Claude の定期実行で返信の読み取りと下書き・仮の予定づくりまでを任せる、または API を使って受信をきっかけに動く仕組みを作ります
作り込むときに気をつけたいのは、次の3点です。
- いきなり自動送信にしない:最初は「AIが返信の下書きと仮の予定を用意し、人が確認して送る」形から始めます。相手の返信の読み違い(「10日」と「10時」の取り違えなど)や、二重予約を防ぐためです
- 例外の扱いを決めておく:「その週はすべて難しい」「オンラインではなく来社で」「同席者を増やしたい」など、候補の選択以外の返信が来たときは人に回す、と決めておきます
- 予定の見え方に気をつける:AIに渡すカレンダーの範囲と、候補として社外に出してよい情報(予定の件名を含めないなど)を決めておきます
日程調整は1件あたりの時間は短いものの、発生する頻度が高く、手順のルールも比較的はっきりしている業務です。こうした「頻度が高く、ルールが明確な業務」ほど、自動化の効果が出やすくなります。向いている業務の見極め方は、AI業務自動化の始め方で詳しく解説しています。
K.S.Rogers の支援
K.S.Rogers のAX支援(OpeZero)では、日程調整のような日々の定型業務を、お使いのメール・カレンダー・社内システムに合わせて自動化しています。標準機能で足りるのか、どこから作り込むべきかの見極めから、返信の読み取りや例外の扱いを含めた仕組みづくり、稼働後の改修までを伴走します。
「営業担当が日程調整のやりとりに追われている」「Copilot や Gemini を入れたが、どこまで任せられるのか分からない」という段階からご相談いただけます。ご相談はお問い合わせからどうぞ。
まとめ
- 日程調整は、①空き時間の確認、②候補日入りの文面づくり、③返信を読んで確定、④カレンダー登録・招待の4つに分けて考えます。①②④は、Copilot・Gemini・Claude のいずれでも頼めばできます
- 社外の相手の予定は、どのAIからも見えません。こちらの候補を送り、相手に選んでもらう形になります
- ③を自動にする手段は、Outlook のスケジュール投票、Gmail の Help me schedule、Claude の定期実行による下書きの自動作成など、環境によって違います。すでに使っているメールとカレンダーに合わせて選ぶのが基本です
- 返信を読んで確定するところまで任せたい場合は作り込みが必要です。最初は「AIが下書きし、人が確認して送る」形から始めます
よくある質問
Q.日程調整はAIで自動化できますか?
A.一部はできます。自分の空き時間から候補日を出す、候補日入りのメール文面を作る、決まった予定をカレンダーに登録する、といった作業は、Microsoft 365 Copilot・Gemini・Claude のいずれでも頼めばできます。一方で、相手の返信を読み取り、都合が合わなければ再提案し、確定まで自動で進めるところは、標準機能だけでは難しく、作り込みが必要です。
Q.Microsoft 365 Copilot で日程調整はできますか?
A.できます。Copilot Chat に頼むと、カレンダーを見て空き時間を提案し、会議の招待まで作れます。Outlook のメールのやりとりからは「Schedule with Copilot」で、件名・議題・参加者が入った招待を作れます。社外の相手に候補日から選んでもらいたい場合は、Copilot ではなく Outlook のスケジュール投票(Scheduling Poll)を使うと、全員の都合が合った時点で自動で予定を入れられます。
Q.Gmail で候補日を送って、相手に選んでもらうことはできますか?
A.Gemini が使える Google Workspace のプランなら、Gmail の「Help me schedule」で、自分のカレンダーの空き時間を候補として返信に差し込めます。相手が候補から時間を選ぶと、カレンダーの招待が自動で作られます。利用できるプランや言語は、公式ヘルプで最新の状況を確認してください。
Q.社外の相手の予定もAIが見て調整してくれますか?
A.いいえ。どのサービスでも、AIが見られるのは自分の予定と、閲覧を許可された社内の予定までです。社外の相手の予定は見えないため、こちらの候補日を送って相手に選んでもらう形になります。
Q.返信が来たら自動で予定を確定するところまで作れますか?
A.作れます。ただし標準機能の組み合わせではなく、Copilot Studio や Power Automate、Claude の定期実行などを使った作り込みになります。返信の読み違いや二重予約を防ぐため、最初は「AIが下書きと仮の予定を用意し、人が確認して送る」形から始めるのがおすすめです。